三嶋大社の桜「日本一有名な夫婦の心模様」 [三島市] [花見特集]

総門をくぐれば「源氏隆盛」の白ザクラ(2025年4月6日撮影) 三島市
総門をくぐれば「源氏隆盛」の白ザクラ(2025年4月6日撮影)
平家をしのぶ神池としだれ桜(2025年4月6日撮影)
平家をしのぶ神池としだれ桜(2025年4月6日撮影)

■三嶋大社の桜「日本一有名な夫婦の心模様」

 個人的に三嶋大社は大好きな神社のひとつです。なによりも歴史を通じて日本一有名な夫婦の心模様に出会えるからです。

 まずは県道22(夫婦)号に面した鳥居をくぐって境内地に入りましょう。

 最初に目に飛び込むのは神池(しんち)です。参道をまたいで左右に広がっています。三嶋大社を崇敬した源頼朝は平家打倒の宿願を果たした1185年、ここで放生会(殺生のたたりが身に降りかからないよう生きた魚を池に放って災禍払拭を祈ること)を行ったそうです。

境内の厳島神社(過去に撮影)
境内の厳島神社(過去に撮影)

 池の左側を見て下さい。真っ赤な橋が架かり橋の向こうに朱塗りの小さな社が見えませんか。
 そうです。こちらも平家の霊を慰めるために妻の北条政子が安芸国から勧請した厳島神社です。
 この季節、池のほとりで風にそよぐ桜の多くは、平家の赤旗を思わせる紅色系のしだれ桜です。いつからこすいた桜が植えられているのか知りませんが、真っ赤な橋、朱色の厳島神社、そして薄紅色のしだれ桜が相まって頼朝・政子夫婦の心模様が伝わってきます。「殺生してごめんなさい。安らかに眠って下さい」という。

 続いて総門をくぐって、神門に近づいていきましょう。おやっ、参道わきの桜は真っ白に代わりましたね。そうです。こちらはソメイヨシノ。もちろん源氏の白旗をイメージしています。
 ソメイヨシノは神池のしだれ桜とは対照的に枝をピンと張って意気盛ん。もちろん桜は後世に植えたものですが、もし頼朝が生きていたら「心憎い演出じゃのう」と喜色満面といったところでしょう。

源氏にちなんだソメイヨシノ(2025年4月6日撮影)
源氏にちなんだソメイヨシノ(2025年4月6日撮影)
平家にちなんだ薄紅色の八重しだれ桜(2025年4月6日撮影)
平家にちなんだ薄紅色の八重しだれ桜(2025年4月6日撮影)

 ここまで来たら、ついでに腰掛石を見物していきましょう。背もたれのついたような石と平石が2つ並び、頼朝と政子がそれぞれに座って休息を取ったといわれています。

 もし1185年なら頼朝38歳、政子28歳。きっと乳母の比企家に預けてあった長男頼家(3歳)のことかも知れませんね。

頼朝と政子が休んだといわれる腰掛石(三島大社HPより)
頼朝と政子が休んだといわれる腰掛石(三島大社HPより)

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基本情報

◆〒411-0035
 静岡県三島市大宮町2丁目1-5

◆入場無料

◆駐車場あり
 (普通車200円/1時間)

◆トイレあり

◆JR東海道新幹線、東海道本線三島駅から徒歩で約15分

◆授与所の開設時間 8:30~16:00(土、日は16:30)

◆外部サイト
https://www.mishimataisha.or.jp/

◆お問合せ先
 三嶋大社
 [TEL 055-975-0172(代)]

◆2025年の情報であり、変更される場合があります。

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