小牧山の桜「つわものどもが夢のあと」 [小牧市] [花見特集]

信長ならでは。南麓に伸びるまっすぐな大手道(2025年4月2日撮影) 尾張東部
信長ならでは。南麓に伸びるまっすぐな大手道(2025年4月2日撮影)
見た瞬間に緊張感が走る紅桜(2025年4月2日撮影)
見た瞬間に緊張感が走る紅桜(2025年4月2日撮影)

■小牧山の桜「つわものどもが夢のあと」

 小牧山の花見は特別です。なぜって「三英傑」にまつわる山。織田信長が天下取りに踏み出した山であり、信長亡き後、天下取りを巡って豊臣秀吉に挑まれた徳川家康が陣を敷いた山でもあるからです。

 小牧山の桜には憎い演出が施されています。家康が対豊臣のために土塁をかさあげし、竪堀(たてぼり)を巡らせた山麓から中腹にかけては、いろいろな桜の木を混植しています。
 のんびりと風にそよぐヤマザクラの群れの中、突然真紅な花のしだれ桜が現れるといやがうえにも緊張感に締めつけられます。まさに戦国の緊張感です。
 一方で山頂の近く、模擬天守の前にくると端正なソメイヨシノが出迎えてくれます。眼下の景色と相まってまるで「天下を取ったね!おめでとう」と祝福してくれているかのようです。
 植樹された桜は全部で400本。山の高さ(比高50メートル)と面積(約20ヘクタール)に対してかなり多い本数です。それらが巧みに配されているので、花見がてらの散歩は、まるで戦国大名になったかのような気分にさせてくれます。

桜に彩られた小牧山のふもと(2025年4月2日撮影)
桜に彩られた小牧山のふもと(2025年4月2日撮影)

 小牧山城といえば、信長が自分の個性を「思う存分にぶち込んだ城」として有名です。土で固めるのが常識だった城に巨石を含む石を持ち込み、さらに旧城からは家臣だけでなく職人、町民らをごっそりと移住させて城下にまちをつくる。加えて南側の山腹に大手道をぶち抜き、同道に沿って家臣の居宅を並べる。あたかも山頂の玉座に自分が君臨し、家臣群が自分を支え、それを城下の町衆が見上げるという階層の視覚化を図っています。  

 凄い人だ―小牧山城に来るたびに、その個性に圧倒されます。

 最後にみなさんに忠告です。花見の季節になると小牧山では場所取りをめぐって毎年いさかいが起きているようです。小牧市は原則場所取りを禁止していますが、効果はありません。

 「オレは現代の信長だ!」小牧山にはそう思わせてしまう何かがあるようです。

比高50メートルの小牧山と山頂に建つ天守(模擬)(2025年4月2日撮影)
比高50メートルの小牧山と山頂に建つ天守(模擬)(2025年4月2日撮影)

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基本情報

◆〒485-0046
 愛知県小牧市堀の内1丁目1番地

◆入場無料(一部施設は有料)

◆駐車場あり
 (役所駐車場は無料、小牧山北駐車場は2時間無料)

◆トイレあり

◆外部サイト
http://komakiyama.com

◆お問合せ先
 こまき市民文化財団
 [TEL 0568-71-9700]

◆2025年の情報であり、変更される場合があります。

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