天王川公園のフジ「郷愁誘う水辺の長フジ」 [津島市]

水路に沿ってまっすぐ伸びるフジ棚(2023年4月23日撮影) 尾張西部
水路に沿ってまっすぐ伸びるフジ棚(2023年4月23日撮影)
九尺フジの巨木(2023年4月23日撮影)
九尺フジの巨木(2023年4月23日撮影)

 天王川公園のフジの魅力はなんといってもフジ棚と水路の取り合わせです。そこには津島市民だけでなく、尾張の人たちぼ郷愁を誘う何かがあるようです。

 まっすぐに伸びた水路は275メートルもあるそうです。水路幅は約5メートルですが、ところどころに本物の河川にように膨らみがつくってあり、水路の中に置かれた石では亀たちがひなたぼっこをしています。

 水路を覆うのは長フジの中でもとくに花穂の長い「九尺フジ」。フジ棚は場所によっては水路両側の散策路の上にも張り出しており、花の盛りには紫色の花トンネルを歩いているかのようです。

水路のカメもいい味を出している(2023年4月23日撮影)
水路のカメもいい味を出している(2023年4月23日撮影)

 天王川公園はかつて木曽川の支流佐屋川にそそぐ天王川が流れていた場所だそうです。
 江戸時代の中期、河川氾濫を防ぐために行われた周辺の水系全体に関わる河川付け替え事業で天王川は廃絶。それまで天王川沿いに繁栄した津島湊は川湊の機能を失い壊滅的な打撃を受けました。
 木曽川の支流のまた支流であったものの天王川の川幅は非常に広く、天王川に架かっていた津島神社への参詣橋は長さ130メートルもあったそうで、湊の周辺には豪商の家などがびっしりと建ち並び、川湊は筏を組んで流れてきた木曽檜のほか、尾張地域の生活を支える各種物資の水揚げなどで活気を呈していたようです。

 失われた川の記憶は、尾張地方の人たちの多くが先祖から聞かされ、その寂寥感を共有しています。だからフジの季節になると、この水路を覆うフジ棚に郷愁を求めて多くの人たちがやってきます。

 2025年の尾張津島藤まつりは4月29日まで。期間中は午後9時までライトアップを行います。

フジ棚に覆われた水路(2023年4月23日撮影)
フジ棚に覆われた水路(2023年4月23日撮影)

◆〒496-0853
 愛知県津島市宮川町1丁目9

◆入場無料

◆駐車場あり(有料)
 (公園駐車場 1,000円/回)
 (南小学校臨時駐車場 500円/回)

◆トイレあり

◆外部サイト
津島市
https://www.city.tsushima.lg.jp/shokai/matsurikyoudo/fujimatsuri/r7fujimaturi.html
天王川公園
https://tennogawa-park.com/

◆お問合せ先 
 天王川サービスセンター
 [TEL 070-2400-2803]

◆2025年の情報であり、変更される場合があります。

タイトルとURLをコピーしました