■古代、戦国、近代 3人の英雄が駆けた丘

熱田一宮神社は湖西市吉美、小高い丘の上にあります。こじんまりとした神社ですが、地元では「古代、戦国、近代 3人の英雄が駆けた丘」として知られています。
古代の英雄。それは同神社の主祭神、ヤマトタケルです。伝承によるとヤマトタケルは九州の熊襲征伐を終えた後、父親の命令で息つく間もなく蝦夷征伐に向かわされます。
この熱田一宮神社は浜名湖を見渡せる丘の上にあり、陸路をやってきた兵士と海路をやってきた兵士がここで合流して陣を敷いたとされています。

戦国の英雄は、徳川家康です。織田信長と同盟を結んだ家康は1570年代に入ると一気呵成に浜名湖西岸に迫り、今川系の勢力を次々と駆逐していきます。
実際に、同神社のすぐ近くには互いの前線同士が激しく戦った境目の城がありました。現在、同神社をはじめ周辺の5つの神社は秋の例大祭に流鏑馬神事を奉納(同神社の神事は湖西市指定無形文化財)しています。古文書によると姉川の戦いに従軍して徳川勢の一員として戦ったこの地方の武者が、家康への忠誠を誓うとともに地域防衛の気運を高めるために流鏑馬神事を始めたそうです。

近代の英雄はトヨタグループの創始者。豊田佐吉さんです。佐吉さんは同神社の北約1キロの村に生まれ、子ども頃は同神社の境内を駆けまわったそうです。
拝殿前には佐吉さんが奉納者に名を連ねる狛犬が静かに鎮座しています。
余談ですが、湖西市は中世を通じて摂関家の荘園が置かれていたところで、当時摂関家が儀式に着用する衣裳に使う高級絹「六条絹」を年貢として収めていました。
六畳絹は絹としての希少価値だけでなく、織物として高い品質を誇っていました。鎌倉時代には六条絹を400疋(現在の価値で約8000万円)を収めたという記録が残っています。
荘園は歴史の中に消えましたが、絹糸に関わる紡績技術は20世紀まで生き残り、豊田佐吉が生まれたのです。
あなたも現代または未来の英雄を目指して一度訪れてみませんか。
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■基本情報
◆〒431-0441
静岡県湖西市吉美1600
◆駐車場あり
◆外部サイト
https://atsutajinja.com
◆2025年の情報であり、変更される場合があります。



