仏餉(ぶっしょう)の河津桜 [豊橋市] [花見特集]

素盞嗚神社の参道脇ではみずみずしい花が満開 豊橋市
素盞嗚神社の参道脇ではみずみずしい花が満開
地元の福祉施設の利用者さんたちも大喜び
地元の福祉施設の利用者さんたちも大喜び

■仏餉(ぶっしょう)の河津桜 

 住民手づくりの「河津桜園地」です。道路をはさんで高台(駐車場)側に数本、丘の斜面の素盞嗚(すさのお)社わきに数十本が植えられています。

 3月19日(水)は、ちょうど満開。この周辺には大規模な福祉施設が多く、休み時間を利用して来られたカンボジア人の女性職員は「すごい」、「きれい」と大喜びでした。

 10年以上前に、地元の人たちが福祉施設のお年寄りの人たちにも楽しんでもらいたいと開設したそうです。その心意気に感心させられます。

 それにしてもなぜ「仏餉の河津桜」と名づけたのでしょうか?恥ずかしながら当方は、仏餉を「ぶっしょう」と読むことすらできませんでした。そこで高校時代に使った古い漢字事典を引っ張り出しました。
 次のことがわかりました。餉は形声文字で「食」と「向」を組み合わせたもので「食べ物を差し向ける」という意味。したがって仏餉とは「仏さまに捧げる食事」ということらしいです。
 ははん。なんとなくわかりました。この周辺は元々は仏餉村という江戸時代初期に野依村から分かれて成立した村。そのとき、村の立地する場所が仏前に捧げるご飯を盛った「仏餉鉢」に似ていたことから名づけたのでしょう。

素盞嗚社
素盞嗚社

 余談ながらここの素盞嗚社は寛永3年(1626)、移り住んだ村田一族が中心となって建てたようです。豊橋の素盞嗚神社は尾張の津島神社から農業神の牛頭天王を勧請したものが多く、仏餉村の神社もおそらくその系列でしょう。
 今でも仏餉地区50戸のうち30戸は「村田」さんです。きっと一族で開墾にあたり、助け合ってきたのでしょう。その精神がいま、地域の一員である福祉施設の人たちに向けられているようです。

 「サクラには歴史あり」―あらためてそのことを考えさせられたお花見でした。

ツバキとのコンビも素晴らしい
ツバキとのコンビも素晴らしい
「仏餉(ぶっしょう)」をアピールするのぼり旗
「仏餉(ぶっしょう)」をアピールするのぼり旗

ちょっと寄り道

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基本情報

◆〒441-8124
 愛知県豊橋市野依町西屋敷114

◆駐車場あり(無料)

◆入場無料

◆地元の方々のご厚意により運営されていますので、より一層の配慮をお願いします。

◆2025年の情報であり、変更される場合があります。

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