
■必見!すらりとした花美人 長井系
愛知県内で最大規模、豊橋市の北部の市立「賀茂しょうぶ園」でハナショウブが見ごろを迎えました。今回は、江戸時代に成立した国内三大系統(江戸、伊勢、肥後)より前に成立した長井古種および同種と縁の深い長井系を訪ねてみました。
長井は、山形県南部の置賜地方、かつては鎌倉幕府の成立時に重鎮だった大江広元が領有した地域です。その関係もあるのでしょうか、地域全体でハナショウブの栽培、新品種(交雑種)の開発が盛んだったようです。
時は移って昭和30年代の後半、地元の愛好家が「珍しい品種がありますよ」と中央から著名なハナショウブ愛好家を招いたところ「おやっ、これはなんだ」と驚きの声があがりました。
その後の研究で、これら品種は江戸系統の園芸品種の原種であることがわかり、以来「長井古種」と命名されました。

さあ、園内を見てみましょう。同園では長井古種のほか同種を軸に他系統と交配した長井系も育てています。
私のお気に入りは「長井黒雲(こくうん)」、「出羽の里」、「長井白」の3つです。いずれも古種ではなく、江戸系などと掛け合わせた交雑種ですが、すっくと立った出で立ちと、ほっそりした顔立ちに、「よっ、出羽美人!」と声をかけたくなってしまいます。
同しょうぶ園は約3300平方メートルあり、3万7000株(300種)が育てられています。現在ハナショウブまつりを開催しており、地元農家の野菜や果物の直売ほかキッチンカーも出店し、まつり最終日の6月10日(火)まで、毎日午後9時までライトアップします。


■基本情報
◆〒441-1101
愛知県豊橋市賀茂町鎌田(賀茂神社付近)
◆駐車場あり(無料)
◆お問合せ先
豊橋市役所観光プロモーション課
[TEL 0532-51-2430]
◆2025年の情報であり、変更される場合があります。
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