かおれ渓谷の紅葉 [岡崎市] [紅葉特集]

岡崎市・幸田町
川の右岸(向かって左側)に比べて左岸はまだ青モミジが目立つ(2024年11月29日撮影)
乙川の軽やかな水しぶきが情趣を盛り上げる(2024年11月29日撮影)

■かおれ渓谷の紅葉

 いくつかの紅葉スポットに足を運んでいると、「おやっ」と思わされることがいくつかあります。その1つが川の両岸で、紅葉の時期に大きな差が見られることです。

 このかおれ渓谷もそうです。川幅は20㍍足らずですが、右岸と左岸では紅葉の進み具合がまるで違います。
 日当たりの関係でしょうか。右岸のモミジは燃えるような赤ですが左岸はやっと紅葉が始まったところです。
 だがこの「時間差」はなんともいえない情感を私たちに与えてくれます。成熟した群れと成熟途上の群れが、美しさを競い合っているかのようです。
 もし平安貴族の女性たちがこの光景を見たら、「あら、私はどちらかしら」と自らの境遇や行く末を重ねながら、静かにため息をついたことでしょう。

おふうさんが眠る広祥院(墓地は本堂の裏手、2024年11月29日撮影)

 女性らしさといえば、渓谷縫う水の流れも、埋め尽くす荒々しい岩包みながら優雅に躍っています。軽やかな天女の舞のよう。ちなみに川の名前は「乙川(おとがわ)」です。

 女性と言えば、渓谷のすぐ近くには中世の山城「日近城(ひぢかじょう)」があり、こちらには城主・奥平貞友の娘おふうを巡る悲劇が伝えられています。
 おふうは、幼くして奥平本家の長男、信昌に嫁ぎましたが、まもなく人質として武田勝頼のもとへ。しかし、信昌が主君を家康に代えたことで処刑されました。16歳の若さでした。
 信昌の妻と言えば家康の長女・亀姫が有名ですが、前妻のことはあまり知られていません。日近城ふもとの広祥院におふうの墓があります。ぜひ足を運んでしのんで下さい。
 広祥院の隣には無料の駐車場があり、かおれ渓谷のモミジ狩りにも使えます。

燃えるように真っ赤。右岸のモミジ(2024年11月29日撮影)

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基本情報

◆〒444-3435
 愛知県岡崎市桜形町般興19(駐車場)

◆駐車場あり(日近の里 駐車場/無料)

◆入場無料

◆トイレあり(日近の里公衆トイレ)

◆外部サイト
https://okazaki-kanko.jp/mizutomidori/guide/392

◆お問合せ先
 岡崎市環境部 環境政策課 環境活動推進係
 [TEL 0564-23-6671]

◆2024年の情報であり、変更される場合があります。

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