■清水寺の紅葉
清水寺には多くの人たちを引きつける魅力があります。最近では毎年500万人以上が参拝に訪れ、京都ではトップ。東京の浅草寺や明治神宮ですら300万人なのでひょっとしたら日本一かもしれませんね。
なぜ、これほど人気なのか考えてみました。その1つが野趣たっぷりなところです。
曲がりくねった急な坂を登り詰め,振り返るとぱっと広がる京都の街並み。何やら大きな仕事を成し遂げたあとの爽快感に似ています。
そして崖の上につくられた大舞台で眼下の景色を眺めると、有名な歌舞伎役者にでもなった気分です。
さらにこの時期、眼下には紅葉の海が広がり、興趣の尽きるところがありません。1,000本を超すモミジがつくるこの大海原の向こうには朱色に塗られた子安塔(国重文)が顔を見せています。まるで赤ちゃんを乗せた船を守る灯台のよう。立派な子を授けてくれそうですね。
歴史を通じても、清水寺はちょっとした野性味あふれるやんちゃ坊主でした。その理由は清水寺が奈良の興福寺と同じ法相宗の系統で仲がよかったからです。
比叡山と興福寺は中世を通じて仲違いばかりしていたので、清水寺もよくけんかに巻き込まれていたそうです。
たとえば永平寺(福井県)のように自分と向き合い、自分を鍛える寺もありますが、清水寺は無力な人たちがひたすらお願いをし、悩みを聞いてもらう寺でした。
清水寺に来るたびに、誰もが「これでいいんだ」と安心して帰って行きます。だからリピーターが多いんですね。
拝観料は大人500円。ライトアップを楽しめる夜間特別拝観は17:30~21:00。
■アクセス
◆〒605-0862
京都府京都市東山区清水1丁目294
◆拝観料500円
◆詳細ページ
https://www.kiyomizudera.or.jp/
◆お問合せ先
北法相宗 大本山 音羽山 清水寺
[TEL 075-551-1234]
◆2024年の情報であり、変更される場合があります。