曼陀羅寺のフジ「三位一体でフジの名所に」 [江南市]

まるでぶどう畑?たわわに実った八重黒龍(2023年4月20日撮影) 尾張西部
まるでぶどう畑?たわわに実った八重黒龍(2023年4月20日撮影)
長~い、長~い九尺藤(2023年4月20日撮影)
長~い、長~い九尺藤(2023年4月20日撮影)

■曼陀羅寺のフジ

「三位一体でフジの名所に」

 愛知県のフジの名所と言えば江南市の「曼陀羅寺(まんだらじ)のフジ」。でもちょっと変わった名所です。なぜってお寺の境内をフジ棚が埋め尽くしているからです。

 まずはお花見をしましょう。細く長く垂れ下がった「九尺藤」、丸々とした巨峰ぶどうのような「八重黒龍」、さわやか紅桃色したキュートな「本紅」、端正で気品のある「紫カピタン」と「白カピタン」―どれもこれも個性的な表情です。
 フジ棚を通路をまたいで設けられているので、見上げればフジの清流。波の色は紫、紅桃、白と次々と変わります。竜宮城の続く道のようです。

なぜお寺が―。

 ネット情報などと総合すると、この曼陀羅寺は戦後の農地改革により一時寺の維持管理が難しくなったとき、地域住民が奉賛会を結成。運営を支えるとともに、フジの名所であることに着目し、江南市に働きかけ、境内の公園化を働きかけたようです。
 江南市もこれに応えて境内地の一部10,000平方メートルを借り受け、フジ棚や園路を整備するとともに、さらに隣接地3000平方メートルを独自に買い足し、拡充したそうです。
 ここに北尾張地方きっての古刹の伝統と地域住民の熱意、そして市の理解が三位一体となったフジの名所が誕生しました。

国指定重文の曼陀羅寺正堂(しょうどう)(2023年4月20日撮影)
国指定重文の曼陀羅寺正堂(しょうどう)(2023年4月20日撮影)

 2025年の「こうなん藤まつり」は5月3日まで。期間中は週末を週末、祝日を中心に楽しいイベントを催すほか、毎日午後9時までライトアップを行います。

 曼陀羅寺には京都御所の紫宸殿を擬した正堂と書院の2つ建物ほか豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に持ち帰った高麗時代の銅鐘、京都嵯峨二尊院の画を模写した絹本著色浄土五祖像が国の重要文化財に指定されています。
 くわえて織田信長の禁制木札、豊臣秀吉の安堵状、石田三成の礼状など市指定文化財の一部を一般公開します。
 戦国時代を生き抜いたしたたかな曼陀羅寺の姿もぜひ体感してください。

色鮮やかな本紅(2023年4月20日撮影)
色鮮やかな本紅(2023年4月20日撮影)

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基本情報

◆〒483-8336
 愛知県江南市前飛保町寺町202

◆入場無料

◆駐車場あり(有料/一部無料)
 観光協会指定駐車場(500円/3時間)

◆トイレあり

◆外部サイト
江南市
https://www.city.konan.lg.jp/event/moyooshi/1006260.html
江南市観光協会
https://www.konan-kankou.jp/?p=6041

◆お問合せ先
 江南市観光協会事務局
 [TEL 0587-56-8739(藤まつり専用ダイヤル)]
 [TEL 0587-54-1111]

 お寺に関しては
 西山浄土宗 日輪山 曼陀羅寺
 [TEL 0587-55-1695]

◆2025年の情報であり、変更される場合があります。

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