■宮路山のコアブラツツジ
紅葉と言えば、多くの人は京都の庭をいろどるイロハモミジや山々を真っ赤に染め上げるヤマモミジを思い起こすでしょう。しかし、コアブラツツジは違います。その名の通りツツジの仲間なのです。
いちばんの違いは葉の大きさ。イロハカエデが長さ約5センチなのに対してコアブラツツジはその約半分の2~3センチほどしかありません。その一方で、コアブラツツジの葉の数は、モミジに比べて圧倒的なボリュームです。
したがって、紅葉の最盛期ともなれば、まるで木全体が燃えるように赤く染まります。うれしいことに、宮路山では標高300メートルほどから山頂(362メートル)まで、多くのコアブラツツジが自生しており、目のくらむような紅葉をみせてくれます。
宮路山と言えば持統上皇が大宝2年(西暦702年)に三河の国を行幸されたことで知られており、宮路山の山頂には大正時代に地元の赤坂町が建てた石碑がいまも三河湾を見おろしています。史書が正しければ持統上皇は現在の11月10日ごろに当時の主要道だった宮路越えを行ったことになります。
それから数ヶ月後、持統上皇は亡くなります。皆さんも燃えるようなコアブラツツジの紅葉に包まれながら、歴史を作った1人の女性に思いをはせてみませんか。
車で行くなら第二駐車場(無料)。そこから歩いて5分ほどで森が開け、紅葉が目に飛び込んできます。
■アクセス
◆〒441-0202
愛知県豊川市赤坂町宮路
◆駐車場あり(無料)
※第二駐車場が最短ルート
◆トイレあり
◆2024年の情報であり、変更される場合があります。