■豊川稲荷(妙厳寺)の精進料理

2025年3月1日
豊川稲荷(妙厳寺)で精進料理をいただく機会がありました。動物や魚の肉はおろか玉子も使っていないのに、「このおいしさは、どこから?」。感動してしまいました。
献立は全8品。前列は左からごはん、漬物、みそ汁、中列はもずく酢、野菜の炊き合わせ、揚げ豆腐、後列は飛竜頭(ひりょうず)、野菜とひじきの和えものようです。
とくにおいしかったのが野菜の炊き合わせです。とくに感心させられたのが、かぼちゃです。かぼちゃといえば、私たちは皮を捨ててしまうことが多いのですが、こちらでは皮付きのまま使い、さらに木の葉模様に包丁をいれてくださっています。
これは「生き物の命をいただく」という禅宗の教えによるもののようです。
飛竜頭もとてもおいしかった。お出汁にはかつお節などの魚介類は使っていないので、昆布や干しシイタケなどで取っているのでしょう。それでも、とびっきりのおいしさです。
野菜とひじきの和えものも、心にしみる味でした。海の幸と野の幸、山の幸が一体となっていました。
妙厳寺は曹洞宗のお寺で、曹洞宗では調理と食事は、修行の1つとして考えておられるようです。殺生の戒律を守り、生き物をいつくしむ心で調理し、その心を受け取っていただく。
今回、精進料理をいただくことで、少しですがその心が分かったような気がしました。
ごちそうさまでした。
◆
豊川稲荷では精進料理を「点心(てんじん)」と呼んでおり、祈祷を受けた方のみに提供なさっているようです。HPによると、祈祷の受付時間は午前8時~午後2時30分。ご祈祷は1日に計7回(毎時30分)行われ、点心は所定額以上の初穂料をおさめた方が対象で、ご祈祷を終えた後にいただけます。併せて開運のお札ももらえます。
次ページ:「のんびり、ゆったりキツネさん」へ