のんほいパークのロウバイ [豊橋市]

豊橋市
枝先にびっしりと咲くロウバイの花(2025年2月7日撮影)
光沢のあるロウバイの花(2025年2月7日撮影)

■のんほいパークのロウバイ

 ロウバイは漢字で「臘梅」と表記するようです。「臘」はもともとつなぎ合わせるというのが語源のようなので、「臘梅」は年をまたいで咲き続ける梅というのが名前の由来なのでしょう。

 のんほいパークでは「モネのスイレン池」の東側、通路をはさんで反対側に数本が植えられています。
 花の最盛期ともなれば、無数の枝先に小指の先ほどの小さな、そして光沢のある黄色の花がびっしりと咲き誇ります。

 この臘梅で思い出されるのが、文豪芥川龍之介の随筆「臘梅」です。この随筆は短いけれどとても含蓄に富んでいます。
 随筆の趣向は、臘梅の花を眺めながら、花を通じて先祖に思いをはせるというものです。
 芥川は明治末、隅田川の氾濫によって転居を余儀なくされ、田端(現在の東京都北区)に移り住みました、そのとき、先祖の形見にと庭に植えてあった臘梅を移し植えたのでした。
 芥川の先祖は大阪の出身の武家で、武田家の流れをくむ土屋家の家臣として江戸初期ごろ江戸に移住。竜之介は芥川家十六代だったようです。
 随筆の最後に添えられた句は「臘梅や 雪うち透す 枝の丈」。おそらく芥川は縁側に立ち、降りしきる雪の向こうに、まっすぐ長く伸びた枝とその枝先に咲く美しい光沢の花房を見ていたのでしょう。
 彼は芥川家のシンボルとして終生、この臘梅の古木を愛し大切にしていたようです。

 のんほいパークのロウバイの見ごろは3月上旬まで。同園東門の駐車場を利用すると便利です。同園の営業は月曜(祝日の場合は火曜)を除く毎日の9時~16時半(入園は16時まで)。入園料は大人600円、小中学生100円。車の場合、1日200円の駐車料金が必要です。

鈴なりの花をつけたロウバイの木(2025年2月7日撮影)

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基本情報

◆〒441-3147
  愛知県豊橋市大岩町大穴1−238

◆入園料 大人600円

◆駐車場あり(普通車200円/日)

◆休園日 月曜日
 (月曜日が祝日の場合は翌平日)

◆開園時間 9:00~16:30
(入園は16:00まで)

◆外部サイト
https://www.nonhoi.jp/

◆お問合せ先
 のんほいパーク(豊橋総合動植物公園)
 [TEL 0532-41-2185]

◆2025年の情報であり、変更される場合があります。

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