
■於大のみちの八重桜「家康生母が愛した故郷の散歩道」
知多半島、東浦町の「於大のみち」で多彩な八重桜が見ごろを迎えました。今月末まで、2キロに及ぶ川沿いを八重ばかり20種類600本が次々と咲き競います。
八重桜に絞ったのは同地の出身で家康の生母でもあり、離縁されて帰郷の後も懸命に生き抜いた於大の方への賛辞を桜で表現するためです。
彼女は東浦城主の次女として生まれ13歳で松平広忠に嫁ぎ、14歳で長男の竹千代(後の徳川家康)を出産しますが15歳で離縁。しかしその後も広忠を恨むことなく、阿久比城に拠った久松俊勝に再嫁した後は3男3女を設け立派に育て上げました。

於大のみちを彩る八重桜はサトザクラの双璧ともいえる濃紅の「カンザン(関山)」、白の「フゲンゾウ(普賢象)」を中心にソメイヨシノの半八重の「サクヤヒメ(咲耶姫)」や黄緑色の「ギョイコウ(御衣黄)」、「ウコン(鬱金)」などが、約3週間をかけてかわるがわるに咲きほこります。 そのほか日本の野生種の4種(エドヒガン、マメザクラ、ヤマザクラ、オオシマザクラ)の遺伝子を併せ持った「はるか」なども見ることができます。
開発したのは森林研究・整備機構で「はるか」の名は女優の綾瀬はるかさんから付けました。綾瀬さんは2013年放映のNHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公「新島八重」(福島県出身で同志社創設者・新島襄の妻)を演じたことから、最初に八重桜を震災復興のシンボルとしていた福島県に贈ったそうです。
「於大(おだい)」と書き表すとおどろおどろしい雰囲気ですが、江戸時代はそうではありませんでした。「於」は敬愛の接頭語、「大(だい)」は女性の名前。いまなら「お菊ちゃん」とでもいったところでしょうか。
「於大のみち」は曲がりくねっていますが、曲がり角にはちょっとした広場がつくられ多くの桜が植えられています。
「がんばれ」というエールでしょうか。心憎い演出ですね。


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■基本情報
◆〒470-2102
愛知県知多郡東浦町緒川
[ナビには於大公園(東浦町大字緒川字沙弥田2-1)を入れると便利]
◆入場無料
◆駐車場あり(無料)
◆トイレあり
◆外部サイト
https://higashiura-kanko.com/sakura/
◆お問合せ先
東浦観光協会
[TEL 0562-83-6118]
◆2025年の情報であり、変更される場合があります。