■静岡県 桜の名所100選 その2【中部(駿河)地域】
伝統の駿河、進取の遠江―言い古された表現ですが、桜の名所一覧を眺めていると、その思いが強くなります。
下の表を見て下さい。中部地域の場合、河津桜を育てている名所はほとんどなく、大半は伝統的なソメイヨシノです。
これが遠州の場合は次から次へと河津桜の名所が誕生。「おう、河津が人気なら、いっちょうトライしてみるか」とわれもわれもと、「やらまいか精神」を発揮しています。

しかし、ここからが本題ですが、駿河地区における桜の名所は、いかにも風情があります。たとえば駿府城公園の場合、二の丸堀の石垣の土手では桜とツツジがみごとなハーモニーを繰り広げています。
つまり桜が満開のときは根元のツツジが緑を奏で。逆にツツジが満開の時は桜が新緑を奏でるのです。なんとも貴族的な風情です。
静岡浅間神社の桜もそうです。境内の桜と背後の浅間山(山全体の名称は賤機(しずはた)山)」の山桜が、巧みに響き合っています。さながら古代の女神と近世の女神が優しく語り合っているかのようです。
日本平の桜も優雅です。なにが優雅かというと2000本もの桜を、「市民の桜」として守り育てているところです。桜のある風景を市民共有の財産としているところに、心の豊かさをおぼえます。
一方、静岡市内から少し離れた大井川水系の桜は、まさに庶民の桜です。とにかく「桜並木」が大好きのようで、河川堤防、道路などに「お花見プロムナード」が設けられています。
個人的には島田市の「家山の桜トンネル」が大好きです。桜トンネルは大井川鐵道の鉄路に沿って観賞できるようになっており、とくに桜並木を奮走するSLには感動をおぼえます。
貴族精神と庶民の心を併せ持った駿河の桜が大好きです。
【 静岡県中部(駿河)地域 桜の名所 】
所在地 | 名称 | 種類/本数 | 開花 | メモ |
静岡市葵区 | 駿府城公園◆ | ソメイ/830本 | 3下旬 | 「大御所花見行列」も |
静岡市葵区 | 静岡浅間神社の桜◆ | ソメイ、山桜/100本 | 3下旬 | 大規模な廿日会祭も |
静岡市葵区 | 臨済寺 | 山桜/数十本 | 3下旬 | 今川家の菩提寺 |
静岡市葵区 | あさはた緑地 | 河津/150本 | 2下旬 | 市民が育てた河津桜 |
静岡市葵区 | 賤機山公園 | ソメイ/1000本 | 3下旬 | 市街地が一望 |
静岡市駿河区 | 高松公園 | ソメイ/数十本 | 3下旬 | ファミリー向け |
静岡市駿河区 | 日本平パークウェイ | ソメイ/2000本 | 3下旬 | 車窓には桜の絵画 |
静岡市清水区 | 御殿山 | ソメイ、大島/600本 | 3下旬 | 駿河湾望む景勝地 |
静岡市清水区 | 清水船越堤公園 | ソメイ/800本 | 3下旬 | 池面に映る花姿 |
静岡市清水区 | 塩田(しょた)川 | ソメイ/数十本 | 3下旬 | 800メートルの桜散策 |
島田市 | 大津谷川桜堤防 | ソメイ/700本 | 3下旬 | 大津谷川の両岸に桜 |
島田市 | 河原町旧堤防◆ | ソメイなど/500本 | 3下旬 | 島田市博物館の裏手 |
島田市 | 家山の桜トンネル | ソメイ/280本 | 3下旬 | 大井川鐵道と並走 |
島田市 | 野守の池 | しだれ、寒緋/260本 | 3下旬 | 池の周囲1.2キロに桜 |
島田市 | 牛代(うしんしろ)のみずめ桜◆ | エドヒガン/1本 | 3下旬 | 高さ20メートル、樹齢300年 |
焼津市 | 山の手のさくら | 河津系の早咲き/200本 | 2下旬 | スイセン、菜の花も |
焼津市 | 木屋川堤の桜 | ソメイ/700本 | 3下旬 | 1.5キロの並木道はのどか |
藤枝市 | 玉露の里◆ | ソメイ、しだれ/数十本 | 3下旬 | 茶屋周辺にしだれ桜 |
藤枝市 | 金比羅山・瀬戸川 | ソメイ/1000本 | 3下旬 | 川桜と山桜がコラボ |
牧之原市 | 勝間田川沿い | ソメイ/600本 | 3下旬 | 町合併で1956年植樹 |
吉田町 | 能満寺山公園 | ソメイなど/30本 | 3下旬 | 史跡公園。小山城跡 |
吉田町 | 大幡川沿いの桜並木 | ソメイなど/100本 | 3下旬 | 市民憩いの散歩道 |
川根本町 | 徳山・桃沢周辺 | ソメイ、しだれ/350本 | 3下旬 | しだれ桜の桜並木も |
※◆は夜間ライトアップあり。
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◆2025年の情報であり、変更される場合があります。