静岡県 桜の名所100選 その4【伊豆地域】

「本家」河津町の河津桜(河津町観光協会HPより) 伊豆
「本家」河津町の河津桜(河津町観光協会HPより)

■静岡県 桜の名所100選 その4【伊豆地域】

 伊豆と言えば河津桜。とくに本家の河津町には開花の時期になると100万人以上が訪れるそうです。

三嶋大社の河津桜(三島市観光Webより)
三嶋大社の河津桜(三島市観光Webより)

 河津桜の物語は1955年、河津町の男性が河津川の雑草の中で発見した桜の若木を持ち帰り、植えたところから始まります。
 11年後、初めてつけた花は、それまで見たこともない色姿。専門家が調べたところ新種とわかり以来、町をあげて植樹、育成に取り組みました。
 町は満を持して1991年に第1回河津桜まつりを開きましたが、そのときの来場者はわずか3000人だったそうです。
 しかし口コミが口コミを呼び、いまでは毎年100万人を大きく超えるビッグイベントになりました。

 なぜ河津桜はこれほどの吸引力があるのでしょうか。大きな理由の1つは開花期の長さです。河津町の桜は約1ヶ月間にわたって見ることができます。ソメイヨシノの約3倍の長さです。
 もう1つは潮風に対する耐性の高さです。河津桜はオオシマザクラとカンヒザクラの交雑種という点です。オオシマザクラは伊豆諸島で世代を重ねた桜らしく、潮風に対してびくともしません。そのため、これまで潮風への耐性の低さから、ソメイヨシノを育てるのが難しかった地域で「これなら安心」と次々と取り組みが始まっています。
 ただし、河津桜ならではの悩みをあります。それは山桜などの日本固有種への影響です。クローン増殖であるソメイヨシノと違って河津桜には交雑を含む子孫繁栄の力が宿っています。

 わたしも河津桜を愛でながらも、心のかたすみで日本の桜全体の将来について、考えてみたいと思います。

【 伊豆地域 桜の名所 】

所在地名称種類/本数開花メモ
三島市三嶋大社の桜◆ソメイ、河津/200本3下旬参道から本殿まで
三島市遺伝研桜並木ソメイ、ミシマザクラ/125本3下旬同研究所の研究者が発見
三島市隆泉苑の桜しだれ/1本3下旬しだれ桜は樹齢100年超
三島市源兵衛川沿いソメイ、ミシマザクラ/30本3下旬市街地を縫う清流
伊東市伊東温泉の桜ソメイ/数十本3下旬温泉街の情緒も堪能
伊東市伊豆高原桜並木ソメイ、大寒桜/600本3下旬道路わきに桜がびっしり。
伊東市さくらの里ソメイ、河津、寒桜ほか/1500本9下旬日本さくら名所100選
熱海市熱海城の桜◆ソメイ/200本3下旬期間中は熱海城桜祭り
熱海市糸川遊歩道の桜あたみ桜(寒桜の系統)/56本1下旬沖縄寒緋桜と並ぶ早咲き
熱海市親水公園の大寒桜大寒桜/20本2下旬熱海サンビーチに隣接
下田市下田公園ソメイ、山桜、大島/500本3下旬丘陵地全体を彩る桜
下田市本郷公園◆ソメイ/270本3下旬若木のトンネルアーチ
下田市報本寺(ほうほんじ)しだれ/1本3下旬樹齢200年。市天然記念物
伊豆市最福寺しだれ八重しだれ/40本4下旬八重のしだれは珍しい
伊豆市法泉寺しだれ桜しだれ桜/1本3中旬樹齢400年。県天然記念物。
伊豆の国市狩野川堤防河津/140本2中旬直線路の桜並木
伊豆の国市伊豆中央高校前河津/50本2中旬濃ピンクの桜越しに富士
伊豆の国市狩野川リバーサイドパークソメイ、河津/30本2中旬河津10本、ソメイ20本
伊豆の国市源氏山公園の桜ソメイなど/180本3中旬6代目「美女桜」も
東伊豆町東伊豆クロカンコースソメイ/110本3下旬コースの芝生広場の両側
河津町河津川沿桜並木◆河津/800本2上旬毎年100万人近くが来場
河津町河津桜原木河津/1本2上旬1955年に河津川で発見
南伊豆町下賀茂温泉の桜◆河津/800本2上旬菜の花とのコラボも
松崎町那賀川沿いの桜並木◆ソメイ/1200本3下旬6キロ区間のロング並木
西伊豆町黄金崎公園◆ソメイ/300本3下旬半島西海岸随一の景勝地
函南町柿沢川沿い河津/400本2中旬やや遅咲きの河津桜

※◆は夜間ライトアップあり。

■こちらもチェック


◆2025年の情報であり、変更される場合があります。

タイトルとURLをコピーしました