墨俣一夜城の桜「輪中の心が詰まっています」 [大垣市] [花見特集]

大垣城の天守閣を模した「一夜城」(2025年4月7日撮影) 西濃
大垣城の天守閣を模した「一夜城」(2025年4月7日撮影)
堤防道路の桜は壮年期(2025年4月7日撮影)
堤防道路の桜は壮年期(2025年4月7日撮影)

■墨俣一夜城の桜「輪中の心が詰まっています」

 今回初めて墨俣一夜城を訪れました。「一夜城」というからには、簡易な砦のようなものを想像していました。しかし目の前に現れたのは…

 そうです。立派な天守閣が待ち構えていたのです。えっ、天守閣は敵に攻められたときの最後の詰め所ではと教わっていた当方は、途方に暮れました。
 さらに驚いたのは、墨俣は美濃に属しているはずなのに、「GO-GO秀吉」の一色です。威風堂々の秀吉像に天下取りを意味する千成瓢箪、そして金色に輝く天守のシャチホコ。面食らってしまいました。
 その一方で豊か過ぎるほど豊かな桜のお出迎えには感動です。城に続く堤防道路には3キロ以上にも渡ってソメイヨシノが植えられており、「一夜城」にいたっては桜の花の中から美しい姿をのぞかせ、まるで竜宮城のようです。

関白姿。笏(しゃく)を手に持つ秀吉像(2025年4月7日撮影)
関白姿。笏(しゃく)を手に持つ秀吉像(2025年4月7日撮影)

 過剰ともいえるほどの美濃の「とことんお持ち上げ」の精神には感心するほかありません。

 聞けば「一夜城」の天守閣のモデルは大垣城。旧墨俣町が竹下内閣のふるさと創成1億円事業を元手に、大垣市へのオマージュも込めて決めたのだと聞きました。

 旧墨俣町は墨俣輪中の東部に位置し、合併前の面積はわずか3.9キロ平方メートル。一時は日本で最も小さな市町村でした。
 しかし今では飛び地ながら人口15万人を抱える大垣市の一員です。飛び地という不利な条件の中でも大垣市への思慕を貫いた墨俣地区は尊敬に値します。
 ここまで書き連ねてくるとなんだか墨俣地区は現代の木下藤吉郎のように思えてきます。もちろんご主人は大垣市です。尾張の農民の子として生まれた藤吉郎は忠誠心と知力を武器に頂点に登り詰めました。

 まさに墨俣地区の生き方です。輪中という恵まれない条件の中で懸命に生きてきた、その思いが伝わってきます。とても実りのある観桜の旅でした。

城の前に設けられていた「太閤秀吉 出世の泉」(2025年4月7日撮影)
城の前に設けられていた「太閤秀吉 出世の泉」(2025年4月7日撮影)
天下太平、墨俣一夜城と満開の桜(2025年4月7日撮影)
天下太平、墨俣一夜城と満開の桜(2025年4月7日撮影)

こちらもチェック


基本情報

◆〒503-0102
 岐阜県大垣市墨俣町墨俣1742-1

◆入場無料(施設は有料)

◆駐車場あり(基本無料)

◆トイレあり

◆外部サイト
https://www.city.ogaki.lg.jp/0000000723.html

◆お問合せ先
 墨俣一夜城
 [TEL 0584-62-3322]

◆2025年の情報であり、変更される場合があります。

タイトルとURLをコピーしました