■東福寺の紅葉
誰もが息をのむ,絶景です。小さいながらも険しい谷間をモミジの紅葉が埋め、その谷間を渡る橋(通天橋)から眼下を眺めるとまるでモミジの雲海のようです。
通天橋から雲海を眺めてみましょう。2000本という京都でも指折りのモミジの数。そこにはイロハモミジに混じってオオモミジ、中国産のトウ(唐)カエデが絶妙なアクセントをつけています。
唐カエデはイロハモミジとは葉も幹も対照的です。葉の切れ込みはイロハモミジの5つに対して3つ。幹はたおやかなイロハモミジに対して太くまっすぐに伸び、樹皮も黒々としたイロハモミジに対して灰褐色です。
通天橋を渡るとそこには、ユニークな形をした開山堂が姿をみせます。三十三間堂に銀閣寺が乗っかている―そんな印象です。1819年の炎失から4年後の1823年に再建され、開山した鎌倉時代の高僧・円爾の像が安置されています。
同寺を創建したのは鎌倉時代前期の激動期を生きた九条道家です。「東福寺」の名前は、奈良を代表する大寺院、東大寺と興福寺から1字ずつ取って名づけたことから、「両寺をしのぐスケールの大きな寺院を目指した」とする向きもありますが、異論もあります。 当時、奈良の両寺は平氏の南都焼き打ちで焼失、荒廃しており復興の途上でした。道家は復興へのエールを送る意味で、「東福寺」と名づけという解釈です。
東福寺に出かけたらモミジ見物だけではもったいない。ぜひ方丈の庭を見て下さい。方丈を囲む4つの庭をつくったのは昭和を代表する作庭家・重森三玲です。
峻険な石組と柔らかな苔(こけ)の組み合わせという、終生のテーマを、若き天才は4庭それぞれに違った表情で実現しています。感動すること請け合いです。
通天橋と方丈庭園の拝観料ははそれぞれ600円と500円。2024年の拝観時間は11月1日~12月1日が9:00~16:00、12月2日~が15:30。他の寺よりも早めに閉門するので、気をつけてください。
■アクセス
◆〒605-0981
京都府京都市東山区本町15-778
◆拝観料500円~
◆詳細ページ
https://tofukuji.jp/
◆お問合せ先
臨済宗 東福寺派 大本山 慧日山 東福寺
[https://tofukuji.jp/contact/]
◆2024年の情報であり、変更される場合があります。